特別なニーズを持つ教育対象者に対して適切な教育を提供することは、教育の機会均等の観点からも子ども達の人権の保障の観点からも重要な課題になります。

しかし、特別なニーズを持つ教育対象者の状況や要求は一様ではありません。

発達に特別なニーズを持つ生徒や知的障害、身体に障害を持つ生徒や感覚障害、行動に支援を必要とする生徒や学習障害などさまざまな数多い種類の障害がありますし、その程度や影響も個々に異なります。

また、家庭環境や地域環境、文化的背景や経済的状況などからも子ども達の置かれた状況も多種多様です。

そこで、特別なニーズを持つ子どもたちに対する教育は多様性に対応した柔軟で個別化されたものである必要があります。

例えば、障害の種類や程度に応じて通常学級での支援や特別支援学級での指導あるいは特別支援学校での教育を自由に選択することができます。

また、教育内容や方法に関しても子どもたちの能力や興味に合わせて調整することができます。

さらに、家庭や地域と連携して子どもたちの生活全般にわたって支援を行うことができるでしょう。

特別なニーズを持つ子どもたちに対する教育は多様性に応える特別教育と言えます。

このような教育は、子どもたちの個性や可能性を尊重して自立や社会参加を促すことができます。

また、特別なニーズを持つ子どもたちだけではなくてすべての子どもたちにとって有益な教育でもあります。

多様性を認め合って協力し合うことは、豊かな人間性や共生社会の形成につながると言えるでしょう。